キットレンズ付きの一眼レフカメラを買って、なんだかよくわからないけど「AUTO(オート)」とか「P(プログラムオート)」っていう設定にしておけば、初心者の私でもシャッターボタンを押せばキレイに撮れるし、一眼レフカメラなんて楽勝じゃん?
…という方が2本目の交換レンズとしていきなりレンズベビーを選択すると、はじめはちょっと大変かもしれません。 しかもカメラがニコンのD5000番代やD3000番代のいわゆるエントリー機だったりすると、さらに大変なことに…!?
今回は、一番混乱するであろうニコンD5000番代・D3000番代ユーザーのためのレンズベビー撮影講座です。(D5500は手元に無いのでD5000で説明します)
レンズベビーは全て、電子接点のないマニュアルフォーカスレンズ。多くのデジタル一眼レフカメラは、こういうレンズを取り付けていると「AUTO」や「P」ではシャッターが切れなかったり、適正な明るさの写真にならなかったりします。
なので基本的には「A(絞り優先オート)」で撮影するのですが…、ニコンのD5000番代やD3000番代だとそれすらもできず、「M(マニュアル)」でしか撮影することができません。
「AUTO」や「P」モードだと「レンズ未装着」と表示され、シャッターを切ることすらできません。CPUレンズというのはニコンで言うところの電子接点があるレンズのことです。
それではしかたがないので「M」にしてみます。
「レンズ未装着」の文字が消えて、撮影できるようになったみたいです。早速ピントを合わせてシャッターを切ってみましょう。
…なんだこれ!明るすぎなんですけど!!一体なぜ??
マニュアルモードというのは、シャッタースピードと絞りの両方を自分で設定するモードのことです。今までの「AUTO」や「P」では、最適なシャッタースピードと絞りを、カメラが被写体に合わせて自動で設定してくれていたのです。
今まで私の代わりにそんな面倒なことをしてくれていたのね…。とカメラに感謝しつつ、明るすぎ写真になってしまった原因について考えましょう。
明るすぎる、というのは、レンズを通って入ってくる光の量が多すぎるのが原因です。
光の量を少なくするには
・シャッタースピードを速くする
・絞りを小さくする
これらのうちのどれか、もしくは両方を行い、光の量を減らす必要がありますが、今回は「シャッタースピードを速くする」ことで光量を減らしていきましょう。(スパークはF5.6固定なので…)
カメラの設定をちょっと見てみましょう。現在、このような設定になっています。
左側の「1/15」というのが現在設定されているシャッタースピードを示しています。(右側の「F--」というのは絞りを示しており、本来は「F5.6」のように数字が表示されるのですが、レンズベビーは電子接点を持たない、つまりカメラと通信できないため、表示させることができません。)
ではシャッタースピードを速くするにはどうしたらいいのか?
それは、カメラのココ↓!コマンドダイヤルを右方向へカチカチ…と回していくのです。
どのくらい回せばいいのか?は残念ながらD5000番代およびD3000番代ではその目安を知ることはできません。勘でやるしかありません。
とりあえず1/125秒に速めてみました。
では撮影してみましょう
う~ん、、、だいぶ見られるようになったけどちょっと暗いかな…?
暗いということは、光の量が少ない、ということです。シャッタースピードを速くし過ぎたようなので、少し遅くしてみましょう。
今度はコマンドダイヤルを左方向へカチカチ…と回してみます。
今度はシャッタースピード1/60秒にしてみました。
撮影してみましょう。
ふぅ・・・やっと適正な明るさの写真になったようです。
このように、ニコンD5000番代・D3000番代でのレンズベビー撮影は、とりあえず1枚撮って結果を確認し、明る過ぎならシャッタースピードを速くし、暗過ぎならシャッタースピードを遅くする、というのが正しい方法です。
これだけまわりくどく説明しておいてこんなに手間のかかる方法しかないの!?一発でキレイに撮影できないの?とお思いになるのはもちろんのこととは思いますが、非CPUレンズ装着時にカメラの内蔵露出計が使えないこれらの機種ではこの方法しかありません…。
―― カメラ内蔵露出計が使えないのなら、新しい露出計を用意すればいいじゃない!
もちろんこれを使えばばっちり適正なシャッタースピードを求めることができますよ!これはスゴイ!!お値段も…。
う~ん…そこまで厳密にしなくても…という方は、スマートフォン向けのいわゆる「露出計アプリ」を使用してみてはいかがでしょうか?露出計アプリはいろいろあるのですがその中の1つ「Pocket Light Meter」というアプリをご紹介します。(iOS版は無料なのでiPhoneユーザーの方は是非お試しを。)
ISOとAperture(絞り)を設定してから、iPhoneのカメラを被写体に向けると、適切なシャッタースピードを教えてくれるのです。さすがにスマホなのでピッタリの値は出してくれません(上の画像でもちょっとズレている)が、大きく外すことは少ないようです。
最初の1枚をアプリの示すとおりのシャッタースピードにしてから撮影すれば、後の調整もほんの少しで済みます。
(おまけ)なお、「レンズベビー スパーク」にはおおよそのマニュアル露出ガイドが用意されています。
この表は、晴れた日ならISO200にしてシャッタースピードは1/500、曇りの日ならISO400にしてシャッタースピードは1/250、室内ならISO1600にしてシャッタースピード1/60に設定して撮影すると、だいたい適正な明るさで撮れますよ~ということを教えてくれています。
この表を持ち歩くか覚えるかして、最初の1枚をこの表の示すとおりに設定してから撮影すれば、シャッタースピードの調整も少しで済みますね!
というわけで今回はかなり長文になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
ニコンD5000番代およびD3000番代ユーザーの方々にとっては、レンズベビーだけでなく、ケンコーのミラーレンズやMILTOLレンズ、ニコンのオールドレンズを使う時にも役立つかと思います。
電子接点のないレンズは操作が面倒ですが、比較的安価なのも魅力です。使い方をマスターしてお得に楽しいフォトライフを!
(WEB担当:A)